ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の演奏会へ。
ソリストは、ヴァイオリンの五嶋みどりさん。
指揮は、クリストフ・エッシェンバッハ。
こんな豪華な組み合わせで聴ける機会は滅多にないと思い、福岡まで行ってきました。
絡み合う音
五嶋みどりさんのヴァイオリンとオケが絡み合い、一緒に音楽を作っていく。
これほどまでにソリストとオケが同じ方向を向いているなんて、初体験でした。
みどりさんが内面から音楽を作り上げているのが伝わり、シューマンと向かい合っている。
オーバーな表現、自分を誇示するフォルティッシモは必要ない。
オケとホールを信頼しているピアニッシモ。
みどりさんは1音1音を慈しみ音楽に意味を持たせ、弦は不純物の混じっていない音色で答えていく。
今まで経験したことのない素晴らしいオーケストラでした。
楽器を通して、人がコミュニケーションをとる。
音楽のあり方を見せてくれた演奏会、行ってよかった!
みどりさんを好きになったきっかけ
五嶋みどりさんの音楽は、まっすぐに作曲者と向かい合っている感じがして好きです。
いつも真剣で、私生活でも気を抜かない印象。
そんなみどりさんを好きになったきっかけは、ブルッフのヴァイオリン協奏曲でした。
あるミュージックサマーキャンプに伴奏者として参加したときに知ったブルッフ。
「なんて素敵な曲♡」と思いYouTubeで検索。
数人聴いた中で、一番好きな演奏だったのがみどりさんでした。
そこから、みどりさんにハマったのです。
音楽には人間が出る
不思議なことに、音楽には人柄がでます。
その人の、生き方そのものが出てしまうのです。
性格のきつい人は音もきついし、
深く考えずに練習してる人は、音楽にも説得力がない。
やさしさで溢れている人は、音色も暖かい。
もって生まれた体格や手の厚みにもよるけれど、
音楽にはその人そのものが現れる。
優れた音楽家は、人間も出来ているひとが多い。
日頃の行いが音楽に表れるのが分かっているのだと思います。
演奏を聴いて、おもうこと。
表現者である以上、自分と向き合っていくのが私の人生。
辛いこと、楽しいこと、
自分の感情全てが、表現への糧となる。
すべての出来事には意味があって、
それをどう受け止めるかが、これからの私を方向付ける。
私にしか出来ない表現があって、
それを信じて歩んでいく。
みどりさんのように、内面を伝えられる演奏家でありたいな。